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2022年5月25日(水)は、米国株の回復条件、高インフレの見通しについてピックアップします。
米株回復には何が必要?
野村グループの山腰健太郎氏によると、
株式相場が上昇基調になるためには、
・インフレ回復の兆しが見え始めること
・FRBがハト派に転じること
の2つが条件だという。
下記グラフのように、長期金利は現在1ヶ月ぶりの低水準で推移。
今後の物価見通しを示す期待インフレ率は3ヶ月ぶりの水準まで低下
これは、市場はインフレが抑制され、早急な利上げによりFRBが景気後退を引き起こすと想定していることを示唆しているという。
FRBは利上げペースの減速や利上げを見送ることで、景気後退を回避しようとする可能性が高いと考える。
FRB「ハト派化」はいつ?
アトランタ連銀のボスティック総裁は2022年5月23日に、
今後2回のFOMCで0.5ポイントずつ利上げ、9月に利上げを一時停止する可能性があると述べている。
夏以降にインフレが沈静化される兆しが見え始めれば、早ければ8月のジャクソンホール講演以降にFRBがハト派に転じる可能性も想定している。
この過程で金利が低下し、株式は年末にかけてグロースセクターを中心に再度上昇することを期待している。
FRBはインフレ抑制もしながら、景気後退も防がないといけないとなると、とても絶妙な舵取りが必要じゃ。
インフレ抑制にせよ、景気後退回避にせよ、いずれもFRBは後手後手に回っている印象もあるのが気掛かりじゃ。
高インフレの転機まだ?
一方、新潟県立大学のエコノミスト中島厚志氏は「高インフレの転機はまだ」との見解。
◉今、アメリカの住宅市場の需要が落ち始めるなどインフレの影響が出始めている。
◉アメリカに限らず、ヨーロッパや日本含めて、生産者物価の上昇率が大きい
◉生産者物価と消費者物価との差は過去30年間で最大
◉この状況を見ると、価格転嫁の余地は残っている
◉4月のアメリカの物価上昇(CPI)が少し下がっている理由は、中古車の水準が横ばいになっているから。エネルギーや資源価格は相変わらず上昇基調。
◉まだインフレのピークアウトとは言えない
インフレがこのまま続くのだとすると、景気後退の足音も近づいてきてしまうのう。