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『すずめの戸締まり』YouTube特番 〜 IN FRONT OF THE DOOR 〜【まとめ】

2022年9月6日21:00に公開された動画、みなさんはすでにご覧になりましたでしょうか?

なんと言っても、最大の解禁情報は、閉じ師役の声優に松村北斗さんが起用されたことでしょう。

松村北斗さんといえば、ジャニーズのグループ ”SixTONES” のメンバーとしての活躍はもちろん、俳優としてもNHKの朝の連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」で決して多くない出番ながら強い印象を残されていました。その時のヒロイン役が「君の名は」の上白石萌音さん。縁というのは不思議なものですね〜

今回の動画は、新海誠監督、ヒロインの岩戸鈴芽役の原菜乃華さん、そして情報解禁された宗像草太役の松村北斗さんのお三方による対談および宗像草太が登場する新たなシーンがメインコンテンツで、27分ほどの動画となっています。

それなりの尺があるので、テキストベースでポイントをまとめました。

◉忙しくてまだ動画をご覧になっていない方
◉内容をサラッとおさらいしたい方

など、ぜひご覧ください。

初出し映像!動画:映画『すずめの戸締まり』YouTube特番~IN FRONT OF THE DOOR~

https://youtu.be/D-9ldCRAGVk

初出し映像は【15:38〜】!!

カメノヒコ

めちゃくちゃ時間のない方でも、この初出し映像だけでもチェックをおすすめじゃ!かなりのビッグ・サプライズ!!

【対談1】新海監督✖️原菜乃華さん

菜乃華さん、鈴芽役、発表されたじゃないですか、サプライズの形で。その後、周りの反応、ご家族の反応とかいかがでしたか?

家族はもちろんすごく喜んでくれて。本当にすごく新海監督の作品が好きで、お母さんやお父さんに熱く語っていたので、「本当に良かったね」って言ってもらえました。

鈴芽が本当にいるかなってずっと不安だったので、オーディションの時も鈴芽役は難しいだろうなって。「会えなかったらどうしよう」、「でも、いるに違いない」と信じて選んでいたんですけど、この声とこのお芝居の人にこのタイミングで出会うことができたので、ご両親に感謝しています。

ありがとうございます。嬉しい言葉をいただけて。

初めてのアフレコ

ブースに入ったときに、テイクの番号をここは何番を使ってというのを恐ろしく早い作業でやっていらっしゃって。

人間って機械じゃないから、完全に同じ芝居ってのは100%は無理じゃないですか。その時にしか出なかった、偶然なんだけどすごくいい声というのは再現不能なものとして時々あって、それをなるべく聞き逃さずにそれはそこをもらおうというのをいつもやっているんですよね。

お互いの印象

改めてお互いの印象がどうですか?w

オーディションで菜乃華さんにお会いした時と、鈴芽役をお願いしますとお伝えした時の印象は、ずいぶん年齢の割にはしっかりなさった方だと思ったんですね。大人びた人だなと思いました。18歳ですよね?だんだん変わってきたのが、つい最近まで高校生で、アニメや漫画も大好きで、エンターテイメントも大好きで、そういう子なんだなというのがわかりましたね。

バレてましたかw

テンションが違うもんねw

「こう」なるとバーッと早口で話しちゃいます。

他社のアニメの話をしてて、それですごい盛り上がっててw
なるほど、そんなに面白いんだ。見てみなきゃって思ってw

新海監督のイメージは、仏のように優しい

手を合わせちゃう感じ?w

本当に。ありがとうございますって言ってもらえることに感動しちゃって、毎回すごい嬉しいな、もっと頑張らなきゃなと思っていて、本当に新海監督のおかげでここまで楽しく頑張れているので、本当に感謝しかないです。

言わせたみたいで申し訳ないですけどw

【対談2】新海監督✖️松村北斗さん✖️原菜乃華さん

草太役が発表された今の気持ち

発表になる日が怖い。自分の認知がまだまだというのも不安要素。認知している人にとっても、アニメのアフレコと交わる点が見つからないのでは、と。

二人ともアニメへのリスペクトがある。大好きなんだよねw。僕の映画もすごく見てくださっている。だからこそ、僕でいいんですか?、私でいいんですか?というのがすごく伝わってきて、それもこの二人がいいなと強く思えること。
アニメの声優できるよ、という人ではなくて、果たしてできるのかなというのを北斗くんはずっと持っている。やってうちにそれがだんだん消えていくのも見えていて、すごくいい時間をもらっている。
自信を持って、他の誰でもなく北斗くんじゃないと草太はできない。すずめも菜乃華ちゃんじゃないとすずめじゃない。映画を見てもらえたら絶対にお客さんにも伝わると思う。そこは全く不安ではない。本編を見たらみんな何も言えないくらい驚く。

始まった当初は、俺なんかでいいのかという気持ちがたかぶりすぎて、闇メールを監督に送ってたw その闇メールの倍くらいの量で、今の草太はこんなに素敵なんですと(返信がきた)。

菜乃華ちゃんは結構元気に帰っていくけど、北斗くんはなんか元気がなかったなと思う時があって、もしかして反省したりしてるのかなあってw そしたら案の定長いラインが届いたりとかw でもそれを受けてなおさらこの人でよかったって思った。

アフレコを続けると、新海さんにとって僕で良かったのかもしれないという少し自信のようなものが湧いてくるが、新海さんが許しても、世間が許してくれるのかという思いが。ありますよね?

ありますw

いろんなスタッフみんなで最高の映画を作ろうとしているなかで、二人が最高だということを僕だけでなくみんなが言っている
心底納得して、オーディションも本当に慎重にやって二人になったし、その先に、お客さんと私たちというのは別の存在ではなくて、どこか好きなものとかつながっているから映画がつくれる。
人間として通じ合った通路のようなものが観客の中にも作り手の中にもあるはずだと思って、自分の感性を信じて作っているから、全く不安はない。

配役が決まった経緯

テープオーディションから聞いたが、皆さんの声を聞いた感想とか長いメモを書いた手帳がある。自分が何を求めているかを整理しながら聞く。最初に菜乃華さんの声を聞いた時の印象を昨日読み返したりw

読みたいですw

北斗くんのオーティションの時も、一人人一人の所感が書いてあって。アフレコが始まると芝居に集中するが、昨日は久しぶりにオーディションでこういう声の人もいたなと思い出しながら、二人にした自分の気持ちをあらためて確認していた。いろんな理由があるから一言では難しい。

一言で言うなら、菜乃華さんは声に感情の色がものすごく濃くある。自分の中の楽しいとか悲しいという感情と、なのかさんから出てくる声の距離が近い。ピッタリくっついている。楽しい声、悲しい声、もっと複雑な声、が自在に出てくる。感情を伝えてくれると言うのが一番大きい

北斗くんは、いっぱいあるが、草太役はすごく難しいと思っていたからオーディションにしたが、映画の場合は指名することも多い。でも指名で自分に100%自信は持てないから、申し訳ないけどいろんな人の声を聞いて選びたいと。北斗くんにしかないなと思ったのは、切なさが一番大きかった

草太はアニメのキャラクターでもあるし、激しい戦闘シーンのようなシーンもあるから、凛々しい声でも、頼もしい声でもある必要があるし、鈴芽とかわいい状態になって旅もするから可愛くないといけないところもあるが、北斗くんの声は裏側にずっと何かが切ないんだという響きがあるような気がする。それが決め手だった。ご自身だとどうなんですか?

いやあ、言われてもピンと来ないくらい

本人が普段思っていることとは違うところに備わっているものかもしれないし、さっき長文のメールが来たという話をしたが、ああいう自分を振り返って今これだけのことをやっているのにそれでもまだどこか不安だ、届かないんじゃないかと常に思ってしまうことが、今思えば、僕が最初に感じた切なさという声の成分だと思う。自分が演じた作品でも反省点を考えちゃうんです、みたいな話を聞いたこともあったし。

あ、それオーディンションのときに?
うわー!!覚えていてくださってました?

私オーディションすごく緊張したんですけど、松村さんどうでした?

ありえないくらい緊張していたから颯太のことしか考えていなくて、だから普通に深海さんと喋っている時も、草太ってこういう声色じゃないかなって声でずっと喋ってましたね。

北斗くんは緊張してた、たしかに。

え、私は緊張してないみたいなw

もしかしたら原さんもわかってくれるかもしれないんですけど、なぜか新海さんも緊張した面持ちで来てくれたというか、なんで新海さんレベルの方が僕なんかに緊張しているんだろうと。

毎回それは緊張するんですよ。オーディションって。

出会えなかったらどうしようといいう怖さもあるし、この人であってほしいという願いもあるし、あとオーディションってこっちの勝手な都合と言ったらなんですけど、お時間もらって、約束できないじゃないですか。

でも、すごく準備してくれているのもわかるし、これだけ力を割いて芝居を聞かせてもらって、でも合わない場合もあるし、来ていただいているという感謝もあるし、で、緊張しているんだけど、あっ北斗くんも緊張するんだって思ったし、でも僕は菜乃華さんの緊張は見えなかったんです。

なんで見えないんですかね

楽しそうにやっていたよw

松村さんほどじゃないんですが、私も毎回すごく凹んで、ルームに伝わらないっていうw

初出し映像:なんと草太が椅子に…!

これは鈴芽の持ち物ではあるけど、理由はともあれ草太が椅子に・・・

椅子の中に心が入ってしまうというか。宗像草太は体もがっしりと大きくて、謎の旅人みたいな形で鈴芽と出会うんだけど、こんなイケメンと何が始まるんだろうと思ったらあれ(椅子)になってしまう

椅子になってから、より難しかったです

そうだよね。椅子になってからのコメディーのシーンってたくさんあって、でも笑わせよう笑わせようというお芝居だと上滑りしちゃうから、草太は草太として淡々と喋るんだよね。でもその難しさが見事だなっていう。

椅子になってから、結構楽しいシーンが多いですよね。愉快に、コミカルにテンポ良く見ていけるシーンがずっと続く。

前半二人が旅をするようになって、はじめは鈴芽のことを少し邪魔だと思っていて、「ここでさよならだ、鈴芽さん」みたいな台詞がありますよね。あの台詞が良かった。

毎回アドバイスだったり、ここはこういう裏テーマだったりとか全部教えてくれるじゃないですか。汲み取った上で、もっとあったんじゃないか、と心配なシーンではありました。

面白かったよね?

先生に言われている気分になりました。小学生時代を思い出しました。

ちょっと歳が離れているという設定でもあるから、草太がお兄さんっぽかったり、先生ぽかったり。でも小さな椅子だしねw 鈴芽に持たれて、運ばれたりするシーンもあるし。

椅子になる前の「宗像草太です」とか「ありがとう」とか、さっき聞いたセリフとかもすごく素敵なものをいただいたし、でもすごく難しいセリフだったと思うんだよね。もう少し他の行動の中に混ぜていうことが多いよね。ありがとう、とか。

でもアニメーションだと声そのもので気持ちを伝えないといけないから「ねえ」とか「ありがとう」とか、本当に日常の言葉をそれだけに集中してやるというのは本当に難しいことだと思うけど、元々言葉が持っている美しさの一端というのを今日の映像でもお客さんに感じてもらえると思うし、早くもっと見せたいですね。

椅子に変わる瞬間の「息」のお芝居、オーディションにあったじゃないですか?あれ、練習するまでできなくて、「うあっ」と息の音を出すのができなくて、めちゃくちゃ練習した。

あ、そうなんだー!

普通、できないですよね

できないです。難しいですよね。

走るシーンとかね。

たしかにアニメーションならではだよね。息でのお芝居って。

台詞が難しいのはもちろん、「あっ」っとか「うあっ」とか全然できなくて。身体の仕組みがなくて、アニメってこんな些細なことが難しいのってめちゃくちゃびっくりしました。

でも、完全にできていますよ、今w

めっちゃ練習しましたもん

そうか。菜乃華さんも最初からできていたけどね

いやいや、でも気づきと驚きのお芝居は、実写で息だけでやることはあまりないから

表情をいっぱいつけれちゃいますもんね

声だけだと他の部分で補えないから、声色をちょっと変えるだけで見えてくる感情がすごく変わるから。初めての体験、日々勉強だ、って思って楽しいです。

原作小説を書く理由

「君の名は」も「天気の子」も映画制作と同時に小説を書いていて、それが映画の公開前に発売されるんですね。今回もすずめの戸締まりという小説で書かせていただいて、それはもう完成して発売しましたが、僕が小説を書く大きな理由が、できればアフレコまで書き終えておきたいなっていつも思うんですよ。そうするとアフレコの演出で、この時こういうことを思っていたんだということを全部言葉できちんと自分でもわかっているし、役者の方に説明することができるからなんですよね。文章を書くとそれを追体験できるから、それが自分にとって大きい。

それを先んじていただいて、読んでからアフレコに参加できて、なんというんですかね、ゲームで言うと攻略本のようなものですかね。全部書いてあって。

そっかそっか

質問したいことも全部答えが書いてある。あれすごかったですよね

本当にアフレコ前にもらえて本当に良かった。

すみませんね、アフレコ前に長いものを読んでもらってw

いいえ!楽しかった。面白かったです

あっという間でしたね

小説でも私泣きました

ハハハ。ありがとう。嬉しいです。映画とはまた違う魅力が文章ならではのものがあると思うから、僕は夢としては、映画にあって小説にしかない台詞が実はたくさんあるから、いつか二人の声で聴きたい

三人からのコメント

すずめの戸締まりのアフレコ現場は毎回すごく楽しくて、日々充実してて、ああこんな環境でアフレコできて幸せ者だなって毎日思っている。

ふとした瞬間に感じる不安の感情だったり、プレッシャーももちろん大きくて、私自身そんな時に鈴芽ちゃんの真っ直ぐさだったり、強さに何度も背中を押してもらっていたので、私含め見てくださるたくさんの方が、何か色々なものと向き合うきっかけをくれるような作品だなとすごく思います。

周りの人はもちろん、自分のこともちゃんと大事にしたいなと思えるような素敵な作品です。公開までぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

僕は未だ僕自身に自信はない中、絶賛アフレコ中ですけど、この作品自体は胸を張って押し出せるというか、その理由は、僕というものを使って、新海監督やスタッフさんがいろんなアドバイスから録ってくださって、実際聴いてみると自分が知らない自分しかそこにいなくて、まるで別物というか、メッセージもさることながら、絵も音声も音楽も携わる全てが、本当に全人類に見ていただきたい、そんな作品ですね。素晴らしい作品になっております。みなさん、ぜひ劇場ですずめの戸締まり見てください。よろしくお願いします。

すずめの戸締まりという映画を現在完成に向けて日々作っております。なのかさんもそうだし、北斗くんもそうですし、例えていうならば、こんなに美しい楽器を使わせていただいて、美しい音を映画の中で奏でることができて、こういう仕事を今できていることがとても幸せです。

絵も含めて、音楽も含めて、みんなの声も含めて、これほど美しい楽器を自分が使える仕事はこの先ないんじゃないかと毎日思いながら、仕事をしています。

聴いたことのないような音を聴ける映画、見たことのないような色を見られるような映画になるはずです。どうか楽しみにしていてください。よろしくお願いします。

カメノヒコ

どこまでも低姿勢であたたかい新海監督。

そんな監督を慕い、真摯に作品づくりに向き合う松村さんと原さん。

まだアフレコ中だという現場での優しくもひたむきな雰囲気がよく伝わってくる対談でした。

公開まであとちょっと!
期待は高まる一方じゃ!!